「どういう意味?」


僕が尋ねると、アカネは“魔法つ界”の就職事情について語り始めた。


「魔法つ界は今、就職氷河期なんですぅ。経済が不況で、なかなか会社も人を雇えないんですよぉ。そのうえあたしの能力はなんの役にも立たないから、全然就職先が決まらないんですよぉ」


「塗装屋でもやれば?」


「あたしの能力は三分間しかもたないんですよぉ」


そう言った瞬間、アカネのスーツが黒に戻った。


「そうみたいだね」


「だから、こっちの世界であたしの能力を生かすヒントを見つけようと思ったんですぅ」