「あ、これなんかいいんじゃないですかぁ?」


アカネが手……いや、あごをとめて言った。


アカネがあごで指し示した場所を確認する。


「ああ、そこはダメだ」


「好き嫌いはよくないですよぉ」


「オマエに言われたくないよ」


ハンバーガーの横には、アカネが残したピクルスが丁寧に重ねられている。


「それに、好き嫌いで言ってるわけじゃない。そこは前に面接受けたけどダメだったんだ」


「じゃあこっちはどうですかぁ?」


アカネが別の場所を示す。


「そこもダメだった」