エナメルバッグを背負っているからか、最近部活をしてないからか、その両方からか走ってから少しすると息が切れてきた。
少しずつ走るスピードを落としていって、わたしはその場に止まった。
そして振り返ると、あたしの前には山内くんがいた。
「なんで……」
山内くんがここにいるの?
てっきり優奈が追いかけてきてくれたと思ったのに。
わたしと違って、息切れひとつしない山内くんは「佐々木」とわたしの名前を呼んだ。
お願い、今は本当にひどいことを言ってしまいそうだから来ないで。
「……試合に出れた?大会までには治りそうって聞いたから気にしてたんだけど」
わたしの顔色をうかがいながら聞いてくる彼にもう自分の嫌な気持ちが抑えられそうになかった。

