団扇のスピードをパタパタからバタバタに変えて扇ぎまくっていると、まだ顔が赤い彰尚が部屋の冷蔵庫を指差して言う。


「いいわよ別に……アンタこそ、体温低くすれば?」


「オレもいいよ………なんか食う気無くなった」


「そういう事サラッと言う所、ホント中学生の頃から変わってないわね!」


「お前が言われて怒る所も、変わんねぇなぁ」


テレまくっている子供2人を尻目に、お父さんとお母さんはイチャイチャ続行中。


思わず自宅の壁にオデコをくっつけて視界をシャットアウトすると、火照った体がちょっと適温になった気がした。