「遅れてすみませんでした」

すぐに3番隊の皆さんに謝罪をします。すると皆さんは、「別に構わない」と言ってくれました。

3番隊の皆さんはずいぶん心優しいのですね。

「さっそく稽古を始める。まず初めに素振り1000回」

なるほど。3番隊の方たちは優しいのですが、斎藤さんの稽古は厳しいのですね。

私は師匠の刀を抜き、隊士の人達と一緒に素振りをします。

「天宮、体が傾いているぞ」

「はいっ!」

斎藤さんが横から注意をしてきます。

600回を超えた辺りから腕が動かなくなってきました。

朝の稽古は300回、夕方の稽古は500回の素振りをしていましたが、連続で1000回とかハッキリ言って未知の世界です。

振っている物も木刀や竹刀ではなく、本物の刀。

重い……。

でも、ここで諦めたら自分に負けた気がして悔しいです。

歯を喰いしばり振り続けます。

「止め!少し休憩を取った後、打ち込み稽古だ」

本当に斎藤さんの稽古は厳しいです。

ちなみに斎藤さんも一緒に素振り1000回を行っています。

なのに……なぜ、あんなに涼しげな表情をしているのでしょうか?

汗一つ掻いていませんよ。

いくら季節が秋だとはいえ、おかしくないですか?

私はすでに汗だくです。

「始めるぞ。天宮、早く来い」

斎藤さんの体力は底無しですか?