「蒼蝶ちゃん、これでウチらの仕事は終わりやね。龍馬はこの人たちに任せて角屋に戻ろう。ほら、桂はんたちも早く逃げてや。騒ぎを聞きつけた人たちに見つかる前に」

「ああ、そうだな。おい、稔麿、小鳩いつまで言い争いしてんだ。もう行くぞ」

私に気遣ったのか、岡田さんが話しを切り出してくれました。

これで龍馬さんとお別れですね。

「龍馬さん、あの……さようなら」

「……」

私の顔をジッと見ていた龍馬さんが私の額を軽く小突きました。

「ばーか。なに永遠の別れみたいな悲しそうな顔してんだ」

「えっ、私そんな顔してましたか?」

「してるよ。安心しろ、また会えるから」

また会える、ですか。

本当でしょうか。私と龍馬さんが会うにはかなりのリスクが伴います。

……でも、龍馬さんの言葉を信じよう。

「はい、また」

「ああ」

2・3度龍馬さんが私の頭をポンポンと撫でる。

しばらく龍馬さんの温もりを感じられないと思うと、少し寂しい感じがします。

「天宮さん」

妖艶な笑みを浮かべた桜木さんが近づいてくる。

さっきのこともあって思わず少し身構えた。

「今日のところは諦めるわ。でも、今度会ったらちゃんと落とし前をつけてもらうから。それまで生きてね」

私から背を向け、桜木さんが桂さんたちの後を追っていく。