坂本は懐に銃を仕舞うと後ろ髪を撫でた。

「師匠さん、蒼蝶に変わってくれねえか?どうも蒼蝶の姿をした別人と話すのは変な感じがする」

『え~、でも、僕が戻って君が蒼蝶に何もしないって補償はないからな』

「何もしねえから。約束する」

『じゃあ、約束破ったら君を斬るよ。それでいい?』

「ああ」

開けられた窓から差し込む月明かりに照らされるそいつの目をジッと見るけど、嘘はついてなさそうだ。

『わかった。君を信じるよ。ちなみに蒼蝶は今寝てるから、話はこの子が起きてからにしてね』

敷いてあった布団に潜り込み目を閉じる。

しばらくして坂本も横になる気配があった。

―…蒼蝶、勝手に身体を借りてごめんね。

僕は中で眠りにつく蒼蝶に謝った後、意識を奥へと沈めた。