私の師匠は沖田総司です【上】

……無防備過ぎると思うのは俺だけか?

一応、男女が一つの部屋にいるんだ。

少しぐらい警戒した方がいいと思う。

ここまで蒼蝶が俺を警戒しないのは、俺を友達として信頼しているからだろうな。

だから何もしないって思っていて、部屋で一緒に寝ることに抵抗がない。

小さな溜め息をついた。

蒼蝶は前、俺に好きだと言ってくれた。

俺も蒼蝶が好きだ。

でも二人の好きの意味は違う。

俺は恋としての好きで蒼蝶は友達としての好き。

俺たちの歯車は噛み合っているようで噛み合っていない。

「厄介な奴を好きになったな……」

蒼蝶は未来から来た人間。

未来から来た理由は蒼蝶の大切な人の未来を変えるため。

俺のためじゃない。

もし、俺が蒼蝶に好きだと言えば蒼蝶は困るだろうな。

俺は蒼蝶を困らせたくない。

だから好きだと言わない。

……でも、いくら我慢していても、いつか自分の気持ちを押さえきれなくなる時がくる。

その時が来たらどうなるんだろうな。

今の関係に戻れなくなるのは間違いない。

俺は今の関係が心地いい。今の関係に満足するんだ。

高望みしてはいけない。

その時が来るまで俺は蒼蝶への想いを奥へ奥へと隠し続ける。

……それが一番なんだ。