私の師匠は沖田総司です【上】

その後、何とか心臓が壊れるよりも先に餡蜜を食べ終えた私と、満足そうな顔をする組長は、再び町の中を歩いていました。

「組長、さっきの餡蜜の代金なのですが……」

「今日は僕から天宮さんを誘ったんだから、奢らせてよ」

私は甘味屋を出てから、自分が食べた餡蜜の代金を組長に渡そうとしているのですが、受け取ってもらえずにいました。

奢ってくれるのは嬉しいのですが、やはり申し訳なくて落ち着けません。

どうしたら、このソワソワした落ち着かなさが、なくなるのでしょうか。

少し考えて、私は思いつきました。

「組長、今度は私が御馳走しますね」

「え?」

「奢られるだけって言うのは、やはり落ち着かないので、今度お出かけする機会があったら、私が組長に甘味をご馳走します」

次があるかなんて分かりませんが、約束していたら、このソワソワが緩和するような気がしました。

少し困り顔をしていた組長ですが、笑顔になると

「ご馳走してくれるのは嬉しいけど、僕は天宮さんに奢ってもらうよりも、みたらし団子を作ってくれる方が嬉しいな」

と言いました。

「艶子さんが作るみたらし団子も美味しいけど、やっぱり僕は天宮さんが作ったみたらし団子の方が、好きなんだよね」

「そうなんですか?」

「うん、だから僕の為にみたらし団子を作って欲しいな」