私の師匠は沖田総司です【上】

私も餡蜜を食べようと、匙を持ちますが、現在、利き手である右手は、組長の手に繋がれています。

左手で、食べなければならないのですが、慣れていない手を使うのは、やはり難しいですね。

匙で寒天を掬っても、ポロッと落ちてしまいます。

なかなか食べられない餡蜜と、格闘をしている内に、組長は全てのお団子を食べ終えてしまいました。

組長が机に頬杖を着きながら、私を見ています。

「遅くてごめんなさい。退屈ですよね」

「別に退屈じゃないよ。ただ、天宮さんが食べにくそうだなって思ってね。……ああ、利き手とは逆の方で食べてるからか。

ちょっと匙を貸して」

分けもわからず匙を差し出すと、繋がれた手を餡蜜が入った器に添えられました。

組長は空いた右手で匙を取り、それに半透明の寒天を乗せると、私の口元まで持ってくる。

これはもしや、あーん的なアレですか?

「あの、組長……」

「ほら、食べさせてあげるから、早くして」

やっぱり、あーん的なアレでした!!

どこのバカップルですか!!

さすがに恥ずかしいですよ!

「早く早く」

「あぅぅ……」

組長が急かしてきます。

少し寒天と組長の顔を見比べた後、私は口を小さく開けて、寒天を食べました。