私の師匠は沖田総司です【上】

「とっ、とにかく注文しましょう。ほら、お団子とか色々ありますよ」

お品書きを渡すと、組長の顔が嬉しそうに輝きました。

その顔が可愛いですね。

「天宮さんは何を頼む?」

「そうですね」

組長が持つお品書を見ようと、身を乗り出すと、額にやわらかい髪が当たりました。

前を見れば、額同士がくっつきそうな距離に、組長の顔があります。

「ちょっ……!天宮さん、近い!」

「こっ、これは失礼しました」

急いで乗り出した体を、元の位置に戻します。

組長の顔が至近距離にあって、ビックリしました。

それに、昨日のキスを思い出してしまった。

せっかく、思い出さないようにしてたのに。

「ぼっ、僕、お団子頼むけど、天宮さんは!?」

「では、餡蜜を」

「分かった!艶子さーん、お団子と餡蜜をお願いします!」

店の奥から、艶子さんの返事が聞こえます。

それからしばらく、私たちの間に会話はなく、私は繋がれた手から、心臓のドキドキが組長に伝わらないか、心配でした。

ほどなくして、お団子と餡蜜が、私たちの席に運ばれます。

組長はすぐに、琥珀色のタレが掛かった団子を食べ始めました。