私の師匠は沖田総司です【上】

そう思うと、笑みが浮かんでしまいます。

「どうしたの?」

「いいえ、何でもありません。それで、どこに行きますか?」

「う~ん。天宮さんは、どこか行きたいところある?」

「私が決めていいんですか?」

「うん、いいよ」

だったら

「寺か神社に行きたいです!」

「……」

おや?

組長が何やら微妙な表情をしてますね。

「もしかして、そういうの嫌いですか?」

「あっ、ううん。別に嫌いって訳じゃないけど、年頃の娘の口から寺か神社に行きたいって、言葉が出て来るとは思わなくてね……」

そして組長は微妙な表情ではははっと笑いました。

どうやら組長は私の発言にドン引きのようです。

確かに、男女のお出かけで寺や神社はあんまりでしたね。

あうぅ……、空気を読まな過ぎました。

ごめんなさい、組長。

「さっきのは無しでお願いします。変わりに、美味しい甘味屋に行きたいです」

「甘味屋?」

「はい。どこか美味しいお店を知りませんか?」

「甘味屋なら任せて。僕のおすすめの場所を教えてあげる」

組長が私の手を引き歩き出す。私はその少し後ろを歩きました。

甘味屋までの道を歩く間、組長は私の歩く速度に合せて歩いてくれます。

さっきとは雲泥の差ですね。