私の師匠は沖田総司です【上】

でも、今から着物を用意する時間はありません。

どうしたらいいのでしょうか。

しばらく私たちが頭を悩ませていると

「どないしたんや、二人とも」

粋な関西弁が聞こえてきました。

話し掛けてきたのは山崎さんです。

「あっ、そうだ。山崎君って女物の着物持ってない?」

「仕事で潜入捜査する時に必要やから持っとるで。女の着物で何するつもりや。まさか総ちゃん女装……」

「違うから。僕はそんな趣味ない」

組長が簡単に説明すると、山崎さんは快く承諾してくださいました。

そして山崎さんの部屋に連れていかれ、あっという間に着替えさせられました。

顔には薄くですが化粧もしてあります。

「ふふん、どうや」

「すごく綺麗です!山崎さん怪我の治療もできるし、監察のお仕事もできるし、人のお化粧もできるなんて、本当に尊敬します」

「はっはっはっ!もっと褒めてもいいんやで!」

山崎さんが得意気に胸を張ります。

しばらく山崎さんを褒めていると、部屋の外で待っていた組長がしびれを切らしたのか、部屋に入ってきました。

「っ……、天宮さん、だよね」

「はい、そうですが」

どこからどう見ても私なのに、組長は変なことを言いますね。

「天宮さん……」

「はい」

「かっ……かっ……」

か?