私の師匠は沖田総司です【上】

翌朝。準備を整えて少ししたら、組長が部屋に来ました。

私の姿を見てどこが唖然としています。

「なぜ男装?」

「なぜ、と言われましても。私は女物の着物を持っていないので……」

土方さんに屯所で暮らすなら、男装をしろと言われましたし、なにより袴の方が動きやすいですからね。

今まで、女物の着物の必要性を感じませんでした。

「それでは行きましょうか」

「ああ、うん……。でもね、天宮さんが男装をしてるのは、ちょっと問題があるんだよね」

え?問題?

「土方さんから外出許可をもらう条件で、僕は何があっても、天宮さんの手を離さないってのがあって……」

手を離さない?

「ということは、私は外に出ている間ずっと、組長と手を繋がなければならないんですか?」

組長がコクリと頷きます。

これはまた、土方さんから厄介な条件を出されましたね。

私が男装のままだと、町の人から「アイツら男同士で手を繋いでるよ」的なことを思われるのは確実。

組長に衆道の噂が立つのは、絶対に避けなければなりませんね。

新選組一の剣士が衆道だなんて噂がされたら、おそらく隊士たちからの好感度はガタ落ちです。