私の師匠は沖田総司です【上】

「あれは見せ消ち(みせげち)っていってな、後で消す部分が分かるようにしてたんだよ!

本当はすぐに消すつもりだったんだ!」

そんなこと言っちゃって、まだ消してないじゃないですか。

土方さん実はあの句を気に入ってるんでしょ。

「で、その句がどうしたんだよ」

「いや、書かれていることは案外間違いじゃないんだなと思いまして」

「ほ~……。まさか総司から色恋の話を聞くことになるとはな。いや~、ガキだガキだと思ってた総司にも、とうとう惚れた女ができたか。

めでてえ話しじゃねえか。で、相手は誰だ」

「……教える訳ないじゃないですか」

「別に言わなくていいよ。どうせ天宮だろ」

さすが土方さんは鋭いな。

てか、僕が天宮さんを好きだって気づいたのはさっきだ。

天宮さんと接吻したときに、僕は天宮さんのことが好きなんだと気づいた。

それよりも前に土方さんは僕の気持ちに気づいてたってこと?

「おまえ、普段から天宮を見すぎなんだよ。分かりやすいにも程がある。それに気づかない天宮は鈍感すぎるな」

僕、そんなに天宮さんを見てたかな。

「よりによって天宮か……。間者かもしれねえ女に惚れるとは、おまえ大変だな」