ゆっくりと顔を離すと天宮さんは目を大きく見開いていた。
放心状態でピクリとも動かない。
でも、涙は止まっていた。
「組……長……?」
天宮さんは小さな声で僕を呼ぶ。
放心していた目に光が戻ったと思ったら大粒の涙を流し、再び泣いてしまった。
「初めてだったのに……」
え?
初めて?
「まさか接吻するの初めてだった……?」
と僕が言うと、弱々しく首が縦に動いた。
女にとって初めての接吻の思い出は、良い記憶だろうが悪い記憶だろうが覚えてるって聞いたことがある。
途端に僕は申し訳ない気持ちで一杯になった。
「天宮さん、ごめっ」
「出て行ってください」
僕の言葉を遮ると、天宮さんは顔を俯かせ、震える拳で着物を握りしめた。
「ごめんなさい、今は一人にしてください。お願いします」
風が吹けば消えそうなほど小さな声なのに、僕の耳にはしっかりと届いた。
それからはよく覚えていない。
いつの間にか天宮さんの部屋を出ていて、縁側で項垂れていた。
放心状態でピクリとも動かない。
でも、涙は止まっていた。
「組……長……?」
天宮さんは小さな声で僕を呼ぶ。
放心していた目に光が戻ったと思ったら大粒の涙を流し、再び泣いてしまった。
「初めてだったのに……」
え?
初めて?
「まさか接吻するの初めてだった……?」
と僕が言うと、弱々しく首が縦に動いた。
女にとって初めての接吻の思い出は、良い記憶だろうが悪い記憶だろうが覚えてるって聞いたことがある。
途端に僕は申し訳ない気持ちで一杯になった。
「天宮さん、ごめっ」
「出て行ってください」
僕の言葉を遮ると、天宮さんは顔を俯かせ、震える拳で着物を握りしめた。
「ごめんなさい、今は一人にしてください。お願いします」
風が吹けば消えそうなほど小さな声なのに、僕の耳にはしっかりと届いた。
それからはよく覚えていない。
いつの間にか天宮さんの部屋を出ていて、縁側で項垂れていた。


