私の師匠は沖田総司です【上】

「本当に本当の本物の天宮さんですか!?」

「はい……。本当に本当の本物の天宮です」

「よかった!!本当に天宮さんが帰ってきた!!」

山野さんが私の両手を握り、上下にブンブン振りました。

あまりに勢いに肩が脱臼しそうですが、山野さんが本当に心配してくれたんだと思うと、振り払うこともできません。

「天宮!!」

「土方さん」

隊士達を掻き分けて土方さんが私の所に来ました。

土方さんの姿を見た瞬間ビクッと体が震える。

「なんでビクビクしてんだよ」

「だって今日、女中の仕事とか色々やらなかったので……。ですが、覚悟はできています!!お説教でも拳骨でも素直に受けます!!けど、切腹だけはどうか勘弁してください!!」

背筋をまっすぐに伸ばしてお仕置きを待っていると、土方さんが「おまえは馬鹿か」と言いました。

そして両肩に土方さんの手が置かれ、土方さんが頭を下げました。

「無事でよかった……」

いつもの土方さんに比べたら小さくて弱い声。そして肩が微かに震えていました。

顔が下に向けられているので分かりませんが、その姿は泣いているように見えました。

「どこも怪我してないか?」

「はい」

「そうか、よかった」

私の頭を撫でる優しい手つき。

そして私を見つめる安堵した表情の土方さんは、普段鬼の仮面に隠れている素顔でした。