私の師匠は沖田総司です【上】

川原で龍馬さんと別れた後、私は京の町を爆走していました。

道を歩く人達が風の様に走る私を見て「何があったんだ」的な目で見てきますが、無視です。

人の視線に恥じる時間があれば1秒でも早く走る!頑張れ50m走7秒フラットの私!!

早く屯所に帰って、迷惑を掛けてしまった皆さんに謝らないといけません。

今日の隊務や女中の仕事を中途半端にしてしまいました。

おそらく皆さん怒ってますよ。特に土方さんが。

絶対に召喚したくない鬼の副長を召喚してしまいそうで怖いです。

拳骨一発で済むでしょうか。

もしくは二発、うぅぅ、恐ろしい。

そんなのが待ってるかと思うと、屯所に帰りたくないですが、時間を先延ばしにするだけなので諦めて屯所に帰ります。

そして私の体力値が点滅を始めた時、屯所の灯が見えてきました。

ヘロヘロになりながら門を潜ると、庭に浅葱色の隊服に身を包む隊士が沢山いました。

えっ……、何が起きてるんですか。

状況を理解できない私はオロオロと辺りを見渡すと、後列に山野さんを発見しました。

私は異様な雰囲気に包まれている庭を、コソコソと移動しながら山野さんに近づきます。

「山野さん、何があったんですか」

話し掛けると、山野さんは私の方を見ずに前を見据えながら言いました。

「今から攫われた天宮さんを探しに行くんだ。昼は見つけられなかったから今夜こそ見つけ……って天宮さん!?」

私の方を見た山野さんが大声を上げました。

あまりの大声に耳がキーンとします。