私の師匠は沖田総司です【上】

「でも、これは刀同士でやるんだぞ」

「龍馬さんが刀を持ってないのが悪いんです!」

ムッと少しだけ頬を膨らませると、龍馬さんが少しだけ笑う。

「確かにそうだ。でも、おまえの覚悟は十分伝わった」

「よかったです。……くしゅっ」

冷たい風に思わず小さくくしゃみをする。

いつの間にか、体が芯まで冷えていて、指先がジンジンと脈打つような痛みがした。

指先を温めるように手にはぁと息を吹きかけて、手を擦り合わせると、少しだけ温かくなった気がしました。

「寒いのか?」

「少しだけ……。大分寒くなりましたよね」

「もう神無月だからな。しょうがねえよ」

神無月……10月か。

早いな。この時代に来てから一日一日があっという間に過ぎて行く。

10月……。

「っ!?」

突如胸の奥がざわつくような感覚に襲われ、私はその場に蹲った。

胸のざわつきと共に、頭がズキズキと痛みだす。

遠くで龍馬さんが呼ぶ声がするけど、私は返事ができなかった。

胸のざわめきや頭の痛みに目を閉じて耐えていると、瞼の裏に不思議な映像が浮かび上がる。

それは、壊れたテレビのように映像が途切れ途切れに映し出され、殆ど何か分からない。

しかも、その映像はすごい速さで流れて行く。映像を記憶する暇などなかった。