私の師匠は沖田総司です【上】

食事も終わり、食器も片づけた後、ヅラさんたちに家に帰ると言って長州藩邸から出ました。

今は賑わう町を龍馬さんと二人並んで歩いています。

帰り際、龍馬さんが送ってくれると言ってくれたのです。

「今日は……ごめん」

長州藩邸から出てから、ずっと無言だった龍馬さんが言いました。

「そう思ってるなら、あんなことは二度としないでください」

「……」

それからお互いに言葉を交わさず歩き続ける。

そして、いつの間にかよく一緒にいた川原に来ていました。

思わず足を止め、風で流れる髪を押さえながら、高い位置にある夕日を眺める。

龍馬さんも足を止め夕日を眺めました。日に当たる部分がオレンジ色に照らされ、はねた髪の影の部分が暗くなっている。

「蒼蝶」

「はい」

返事をして龍馬さんの方を見れば、龍馬さんは私の方を見ていました。

「また会いたいって言ったら会ってくれるか?」

龍馬さんの言葉に胸がキュッと締め付けられる。

私は髪から手を離すとゆっくりと首を横に振りました。

「龍馬さんの為にも会わない方がいいです」

「俺の為?」

私はコクリと頷く。

私の中で確信していることがあった。

それは龍馬さんにハッキリした理由を言わなければ、また今日みたいなことが起きる可能性があるということ。