でも、あそこに敵は数人いた筈だ。
だったら、その人たちはどうなったの?
……記憶がない。
そこだけ記憶がすっぽりと抜け落ちている。
だから目の前のこの人に会った記憶はない。
だから戦った記憶もないし、この人が誰かも分からない。
「あの……私、貴方のこと知り、ません」
「本当に覚えてねえのか?」
震える手をギュッと握りしめながら、私はコクリと頷きました。
「確かにおまえは、俺のことを覚えるつもりはないとは言っていたが、本当に覚えてないとは都合のいい頭をしてるな」
「本当に、本当に覚えてないんです。だから……」
もう訳が分からなかった。
考えれば考えるほど頭がグルグルして、混乱してくる。
ギュッと震える手を握っていると、私の前に大きな背中が現れました。
「晋作、もうやめろ」
その大きな背中は龍馬さんでした。
私をその人から隠すように立ってくれています。
その様子に、その人は興味深そうに見ていました。
「その女に惚れてんのか?」
龍馬さんは何も言いませんでした。
その人は益々興味深そうに私たちを見てくる。
私は怖くて不安で堪らなくて、龍馬さんの着物を少し掴みました。
だったら、その人たちはどうなったの?
……記憶がない。
そこだけ記憶がすっぽりと抜け落ちている。
だから目の前のこの人に会った記憶はない。
だから戦った記憶もないし、この人が誰かも分からない。
「あの……私、貴方のこと知り、ません」
「本当に覚えてねえのか?」
震える手をギュッと握りしめながら、私はコクリと頷きました。
「確かにおまえは、俺のことを覚えるつもりはないとは言っていたが、本当に覚えてないとは都合のいい頭をしてるな」
「本当に、本当に覚えてないんです。だから……」
もう訳が分からなかった。
考えれば考えるほど頭がグルグルして、混乱してくる。
ギュッと震える手を握っていると、私の前に大きな背中が現れました。
「晋作、もうやめろ」
その大きな背中は龍馬さんでした。
私をその人から隠すように立ってくれています。
その様子に、その人は興味深そうに見ていました。
「その女に惚れてんのか?」
龍馬さんは何も言いませんでした。
その人は益々興味深そうに私たちを見てくる。
私は怖くて不安で堪らなくて、龍馬さんの着物を少し掴みました。


