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私は組長が部屋に戻った後も一人縁側で、隊服を縫っていました。
月の光で外が明るいから、手元がよく見える。
行灯だけの薄暗い部屋よりも、外の方が明るいから繕い物が捗(ハカド)ると思っていたけど、ついつい手をとめてしまう。
理由は分かってる。
龍馬さんのことで頭が一杯なんだ。
明後日から川原で龍馬さんに会えなくなる。そのことを彼に伝えなければならない。
「これも返さないと……」
懐から綺麗な白い布に包まれた懐中時計を取り出す。
パチンと音を立てて蓋を開ける。
そしてそれを耳に当てると、小さな秒針の音が鮮明に聞こえました。
耳から外し、懐中時計を撫でる。
「君ともお別れだね。今までありがとう」
この懐中時計には沢山助けて貰った。
眠れない時や不安な時、この音に助けてもらった。
でも、それはもう明日で終わる。
龍馬さんとも会うこともなくなる……。
そう思ったら胸が切なくなって、目頭が熱くなった。
視界が滲み、涙が数滴、懐中時計の上に落ちた。
「やだっ……、どうして涙が……?」
袖で涙を拭うけど涙はとまってくれない。
きっと今日色々あったから疲れてるんだ。
それで涙もろくなってるだけ。
今日はもう、早く寝よう。
私は裁縫道具を仕舞うと部屋に戻って布団の中に入った。
いつもなら懐中時計の音を聞けばすぐに深い眠りにつけるのに、今夜は中々眠りにつけなかった。
私は組長が部屋に戻った後も一人縁側で、隊服を縫っていました。
月の光で外が明るいから、手元がよく見える。
行灯だけの薄暗い部屋よりも、外の方が明るいから繕い物が捗(ハカド)ると思っていたけど、ついつい手をとめてしまう。
理由は分かってる。
龍馬さんのことで頭が一杯なんだ。
明後日から川原で龍馬さんに会えなくなる。そのことを彼に伝えなければならない。
「これも返さないと……」
懐から綺麗な白い布に包まれた懐中時計を取り出す。
パチンと音を立てて蓋を開ける。
そしてそれを耳に当てると、小さな秒針の音が鮮明に聞こえました。
耳から外し、懐中時計を撫でる。
「君ともお別れだね。今までありがとう」
この懐中時計には沢山助けて貰った。
眠れない時や不安な時、この音に助けてもらった。
でも、それはもう明日で終わる。
龍馬さんとも会うこともなくなる……。
そう思ったら胸が切なくなって、目頭が熱くなった。
視界が滲み、涙が数滴、懐中時計の上に落ちた。
「やだっ……、どうして涙が……?」
袖で涙を拭うけど涙はとまってくれない。
きっと今日色々あったから疲れてるんだ。
それで涙もろくなってるだけ。
今日はもう、早く寝よう。
私は裁縫道具を仕舞うと部屋に戻って布団の中に入った。
いつもなら懐中時計の音を聞けばすぐに深い眠りにつけるのに、今夜は中々眠りにつけなかった。


