私の師匠は沖田総司です【上】

「あの、どうしてあの時、銃を持った人に襲い掛かったんですか?組長なら、あれがどんな武器か分かっていた筈です」

「ああ、それは……」

僕は言葉を切った。

あの時銃を持った相手に襲い掛かったのは、ただ単に女の子である天宮さんに庇ってもらうのが、イヤだったからだ。

男のくせに女の子に庇ってもらうなんて、情けないしカッコ悪いだろ。

男は女の子の手前でくらい、カッコつけたいものなんだ。

でも、そんなことを天宮さんに言うのは恥ずかしかったから、僕はそれ以上口を開かなかった。

「……言いたくないなら、構いませんよ」

僕の心情を察してか、天宮さんは手元に視線を戻しチクチクと隊服を縫い始めた。

膝に頬杖を着きながら天宮さんを見る。

隊服を縫う天宮さんの顔は真剣そのもので、目が少し寄り目になっている。

その顔が獲物を狙う猫みたいで面白い。

「いっ!!」

あっ、指に針を刺した。

「大丈夫?」

「はい……。いたた……」

天宮さんが涙目で針で刺した指を吸う。

その姿を見ながらニヤッと笑って

「また僕が指を舐めてあげようか?」

って言ったら、天宮さんが僕から距離を取った。

えっ?何その反応。けっこう傷つく。