私の師匠は沖田総司です【上】

手拭いを僕の頭に優しく乗せてゆっくりと手を動かし始めた。

「ちょっと、天宮さん……!」

「包帯を巻いてくれたお礼です」

天宮さんが丁寧に髪の水気を取っていく。

僕の髪は短いから、簡単に水気を取ってくれたらすぐに乾くのに、天宮さんは時間を掛けて髪を乾かしてくれた。

目を閉じて髪を拭かれる感触を楽しむ。

ただ髪を拭かれているだけなのに、頭を撫でられてるみたいで気持ちが良い。

気持ち良すぎて、癖になりそう。

「組長」

天宮さんは手をとめて、湿布が貼られた僕の頬を触れた。

「今日、叩いてすみませんでした。本当はもっと早く謝らないといけないって思っていたんですけど、中々言えなくて……。遅くなってごめんなさい」

「君が気にすることないよ。それよりも謝るのは僕の方だ。今日は色々ごめんね。無神経なことを言ったり、自分の命を軽視するような行動をした。

本当にごめんなさい」

「いえ……」

天宮さんの手が頭から離れる。

「終わりましたよ」

「ありがとう」

天宮さんが隣にさっきと同じように座った。

そして再び裁縫を始めようとした手をとめて、僕の方を見た。