私の師匠は沖田総司です【上】

「天宮さんってさ、結構不器用?」

天宮さんが一瞬縫う手を止める。

「まぁ、あまり器用ではありませんね」

基本、何でもできる天宮さんだけど、不器用だったんだ。何だか以外だな。

「手を貸して」

「手、ですか?」

「そっちじゃない方の手」

「はぁ……」

天宮さんが包帯に巻かれた手を差し出す。

その手を掴んだ瞬間、天宮さんは一瞬体を震わせた。

「僕に触れられるのイヤ?」

と言うと、天宮さんは顔を横に振った。

僕に気遣ってるだけかもしれないけど、少し安心した。

天宮さんの手に巻かれた包帯を取り、巻き直す。

これでさっきよりは良くなった。

「包帯を巻くのお上手ですね。ありがとうございます」

「まあね。職業柄、怪我することが多いから」

そう言うと、天宮さんは表情を曇らせてしまった。

「気をつけて下さいね」

「……大丈夫。僕、強いからかね。君には負けちゃたけど」

「あれは……、ズルみたいなものですから」

「ズル?」

「あっ……。いや、何でもありません。それよりも」

天宮さんは立ち上がると、僕の背後に回って肩に掛けられた手拭いを取った。

「髪、まだ濡れてますよ。このままじゃ湯冷めしてしまいます」