しばらく土方さんを説得したけど、結局最後まで許可を出してくれなかった。
気分転換に風呂に入り、髪が濡れたまま部屋に戻ろうと廊下を歩いていると、縁側に座る天宮さんの姿があった。
天宮さんは外に出した足を、振り子のように前後に揺らしながら、浅葱色の隊服に針を通している。
天宮さんは僕の存在に気付いていないのか、意図的なのかは分からないけど、こっちを見ない。
彼女から少し離れた場所に腰掛けるけど、やはり僕に目を向けてくれなかった。
「天宮さん」
小さく彼女の名前を呼ぶ。
そしたら天宮さんが「え?」と言って、こっちを見てくれた。
「ぎゃわっ!くっ、組長!いつからそこにいたんですか!」
どうやら縫物に集中して、僕の存在に気付いてなかっただけみたい。
無視じゃなくてよかった。
「ちょっと前からここにいたよ」
「……そうだったんですか。気付かなくてごめんなさい。私、集中すると周りの音が聞こえなくなるんです」
「確かに、すごく真剣な顔で手元見てたもんね」
天宮さんが少し恥ずかしそうに俯きながら、また隊服を縫い始めた。
それにしても
「怪我、増えてない?」
部屋で見た時は、彼女の指に包帯なんてなかった。
でも、今は殆どの指に包帯が巻かれている。
自分で指に包帯を巻いたのか、変になっている箇所がある。
気分転換に風呂に入り、髪が濡れたまま部屋に戻ろうと廊下を歩いていると、縁側に座る天宮さんの姿があった。
天宮さんは外に出した足を、振り子のように前後に揺らしながら、浅葱色の隊服に針を通している。
天宮さんは僕の存在に気付いていないのか、意図的なのかは分からないけど、こっちを見ない。
彼女から少し離れた場所に腰掛けるけど、やはり僕に目を向けてくれなかった。
「天宮さん」
小さく彼女の名前を呼ぶ。
そしたら天宮さんが「え?」と言って、こっちを見てくれた。
「ぎゃわっ!くっ、組長!いつからそこにいたんですか!」
どうやら縫物に集中して、僕の存在に気付いてなかっただけみたい。
無視じゃなくてよかった。
「ちょっと前からここにいたよ」
「……そうだったんですか。気付かなくてごめんなさい。私、集中すると周りの音が聞こえなくなるんです」
「確かに、すごく真剣な顔で手元見てたもんね」
天宮さんが少し恥ずかしそうに俯きながら、また隊服を縫い始めた。
それにしても
「怪我、増えてない?」
部屋で見た時は、彼女の指に包帯なんてなかった。
でも、今は殆どの指に包帯が巻かれている。
自分で指に包帯を巻いたのか、変になっている箇所がある。


