私の師匠は沖田総司です【上】

隊士を追い払った後、僕は天宮さんの部屋の前まで来た。

でも、閉じられた襖を開けることができなくて、部屋の前をウロウロと歩いた。

あ~、どうして僕はこんなに優柔不断なんだろう。男なら男らしくスパッと部屋に入れたらいいのに。

「あれ、総司じゃねえか?」

「お~い、そんな所で何してんだ?」

突然左之さんと新八さんが声を掛けてきて、二人の気配に全く気付いてなかった僕は声が出そうになった。

でも、寸での所で口を押えて声が漏れるのを堪える。

僕は二人に近づき声を押さえて言った。

「ちょっと、二人とも急に声を掛けないでよ」

「声を掛けるなって方が無理だろ」

「だよな。さっきのおまえは明らかに女の子の部屋の前をうろつく不審者だった」

不審者……。否定できないのが悲しい。

「それにしてもその顔どうした」

左之さんが興味深そうにニヤ付きながら僕の頬を指さした。

「……訳あり」

「なるほど。聞かれたくないって訳か。じゃあ聞かないでおいてやるよ」

「まぁ、天宮ちゃん関係だと思うけどな。とりあえず頑張れよ総司」

二人はヒラヒラと手を振って、どこかへ行ってしまった。