私の師匠は沖田総司です【上】

僕はそんな素晴らしい立ち姿勢をする隊士たちに睨みを止め、代わりにニッコリと笑った。

もちろん普通の笑顔じゃないよ。

鬼の副長の土方さんから定評のある背筋が凍る笑顔だ。

僕は見たことないから分からないけど、この笑顔を向けられたら一瞬だけど強い悪寒がするんだって。

悪寒がする笑顔って一体どんな笑顔なんだろうね。

まぁ、今はそんなこと、どうでもいいや。

「君たちさ、さっきからヒソヒソ何言ってるの?僕に言いたいことがあるならハッキリ言いなよ」

「ひぃっ!!」

「何をそんなに言い難いのかな?ああ、もしかして僕に稽古を付けてもらいたいの?

そんな~、だったら恥ずかしがらず気軽に言ってくれたらいいのに。僕、今凄く機嫌がいいからいくらでも相手をしてあげるよ。

ほら、早く道場に行こうよ。立てなくなるまで完膚なきまでに叩きのめしてあげるからさ」

「ひぃぃぃ!お助け――!!」

声を低くして、笑顔を強くしたら隊士たちは蜘蛛の子散らすように逃げた。

これで噂が独り歩きすることはないだろう。