***
僕は天宮さんから数歩離れた距離を保ちながら屯所に戻っていた。
川原から出てからというもの、天宮さんはずっと後ろを歩く僕の方を見てくれない。
いつもなら「組長」って言って、笑顔で忠犬みたいに隣を歩くのに、今は違う。
「あっ、天宮さん……」
後ろから彼女を呼ぶけど、僕の声が小さすぎて町の音に掻き消されてしまう。
けど、もし天宮さんが反応してくれたとしても、何を話せばいいだろう。
僕は天宮さんに叩かれた頬を撫でる。
叩かれた場所はヒリヒリと疼くような痛みがして、熱をもっていた。
とにかく、彼女に謝ろう。
朝に言ってしまった無神経な発言と、さっき命を粗末にするような行動をしてしまった二つを謝る。
僕は深い溜息を吐いた。
本当、今日は散々だ。
朝から天宮さんを怒らせて、そして謝ろうとして追いかけて見つけたと思ったら、また怒らせた。
しかも泣かせてしまった。女の子を泣かせるなんて男として最低だ。
僕は前を歩く天宮さんを見た。
身体全体から近寄りがたい雰囲気が出ている。
人間って本当に欲張りな生き物だ。
いつも見ていた天宮さんの笑顔がなくなった途端、その笑顔が見たくなるなんて。
……川原で僕が知らない男と一緒にいた時は、あんなに笑ってたのに。
僕は天宮さんから数歩離れた距離を保ちながら屯所に戻っていた。
川原から出てからというもの、天宮さんはずっと後ろを歩く僕の方を見てくれない。
いつもなら「組長」って言って、笑顔で忠犬みたいに隣を歩くのに、今は違う。
「あっ、天宮さん……」
後ろから彼女を呼ぶけど、僕の声が小さすぎて町の音に掻き消されてしまう。
けど、もし天宮さんが反応してくれたとしても、何を話せばいいだろう。
僕は天宮さんに叩かれた頬を撫でる。
叩かれた場所はヒリヒリと疼くような痛みがして、熱をもっていた。
とにかく、彼女に謝ろう。
朝に言ってしまった無神経な発言と、さっき命を粗末にするような行動をしてしまった二つを謝る。
僕は深い溜息を吐いた。
本当、今日は散々だ。
朝から天宮さんを怒らせて、そして謝ろうとして追いかけて見つけたと思ったら、また怒らせた。
しかも泣かせてしまった。女の子を泣かせるなんて男として最低だ。
僕は前を歩く天宮さんを見た。
身体全体から近寄りがたい雰囲気が出ている。
人間って本当に欲張りな生き物だ。
いつも見ていた天宮さんの笑顔がなくなった途端、その笑顔が見たくなるなんて。
……川原で僕が知らない男と一緒にいた時は、あんなに笑ってたのに。


