私の師匠は沖田総司です【上】

組長が無事で安心したのか、張り詰めていた気が緩んだのか分からないけど、目から涙が溢れてきた。

涙が組長の頬に落ちる。

組長は目を伏せると

「ごめんなさい……」

と言ってくれました。

私は組長の上から降りると、今も呆気に取られている龍馬さんに向かって頭を下げました。

「いきなりすみませんでした」

「あっ……、いや。俺の方こそごめん」

龍馬さんは懐に銃をなおすと、少し頭を下げます。

「私、帰ります。貴方も早くここから離れてください。銃声を聞きつけた人たちが集まって来る前に」

「ああ」

「では」

もう一度頭を下げると組長の手を掴み、立ち上がるのを手助けしました。

「天宮さん……」

「帰りますよ」

「……うん、分かった」

組長の言葉を遮り、私は歩き出す。

後ろを見なくても、組長が大人しく後ろをついて来てくる気配がします。

「蒼蝶!」

龍馬さんが私を呼びました。私は足を止めましたが、龍馬さんの方は見ませんでした。

「明日も来てくれるか」

「……はい」

龍馬さんに聞こえたかは分からないけど、私は返事をして、川原を後にしました。