私の師匠は沖田総司です【上】

バァン!、と乾いた音が耳の奥に響く。

その瞬間、場面が切り替わるような感覚がした。

不思議なことが起きる。

全ての光景がスローモーションに見えた。

ゆっくり……、ゆっくり……と光景が流れて行く。

普通だったら見えない筈の銃弾まで見えて、それが組長に向かって行く。

このままじゃ組長が……。

そう思うと同時に身体が勝手に動いていた。背中に翼が生えたかと思ってしまうぐらい、身体が異常に軽かった。

瞬く間に私は組長まで追いつき、背中から身体に飛びついた。

「わっ!おぶふぅ!!」

奇声と共に組長が前から地面に倒れる。

「っ~~、ちょっと天宮さ……」

組長が地面に打ち付けた顔を手で押さえながら起き上がり、私に向かって文句を言おうとした。

でも、私は組長が言い切る前に手を振り上げ、組長の頬を思いっきり叩いた。

組長は信じられないとばかりに大きく目を見開き、私を見る。

私は組長の胸倉を掴んで顔を近付けた。

「貴方はバカですか!!相手は銃を持っているんですよ!!銃を持ってる相手に向かって行くなんて、何を考えているんですか!!

銃弾に当たったら死んでしまうんですよ!!そんなことも分からないんですか!!」

「あの、その‥‥‥」

「もう二度とあんな無謀な真似はしないでください!!お願いですから、一つしかない命を大事にして……。貴方には、命を賭してでも守りたい人がいるでしょう?こんなところで死んじゃダメですよ……」