私の師匠は沖田総司です【上】

「そういえばまだ、名を名乗っていなかったな。俺は斎藤一だ」

斎藤一って……、まさか新選組3番隊組長斎藤一!?

嘘!?この人がそうなの!?

「どうした」

「いっ、いえ。あの、貴方が斎藤一さんだって知って驚いてしまって……」

「驚く?なぜ驚く必要があるのだ?」

「だって斎藤さんは左利きの剣士でとても強いって師匠が」

「師匠?」

「あっ、いや、何でもありません!それより、私の名前は天宮蒼蝶と言います!」

「……そうか」

斎藤さんは何か言いたそうだったが、それ以上何も言わず歩き出す。私はその後ろを付いて行きました。

斎藤さんの話はよく師匠から聞いていた。寡黙な人だけど、とても強くて仲間思いな人だったと。

私が会いたい人、トップ3に入る人だ。まさかこんなに早く会えるとは思っていませんでした。

斎藤一さんに会えて少し感動しています。

是非この人と稽古をしてみたい。すると斎藤さんが部屋の前に止まって声を掛けてきました。

「少し待っていろ。副長、入隊希望者を連れて来ました」

「その声は斎藤か。入っていいぞ」

「はい」