私の師匠は沖田総司です【上】

背後にいる龍馬さんの方を見た。

その瞬間、背筋がゾクッと強い寒気に襲われた。

なぜなら龍馬さんの手に握られている物があまりに衝撃的だったから。

龍馬さんの手には銃が握られていた。その銃口は組長に向けられている。

「ダメッ!!」

私は両手を広げて組長を庇うようにして立った。組長も龍馬さんの手に持つ物に驚きを隠せないようだった。

「蒼蝶、どけ」

いつもとは違う殺気を含んだ声に身体が一瞬強張り、額から一筋の汗が流れてきた。

私は声が震えないように全身に力を込め、声を絞り出した。

「どきません。とにかく銃を下ろしてください」

ぴんと張り詰めた空気が、私たちの間を通り過ぎていく。龍馬さんはなかなか銃を下ろさなかった。

静かに見据えた目は組長から外れない。

カチャリと固い物が触れ合う音がした。

チラリと後ろを見れば、組長が鯉口を切っていつでも刀が抜けるようにしていた。

私は「組長、動かないでください」と言おうとした。

けど、それよりも早く組長が私の後ろから飛び出し、龍馬さんに向かって走り出す。

「組長!!」

「自分から突っ込きくるとは馬鹿な奴ちや」

龍馬さんが銃の引き金に人差し指を掛け、そして引き金を引いた。