私の師匠は沖田総司です【上】

立ち上がると龍馬さんに名前を呼ばれました。

呼ばれた方を見れば、龍馬さんが私に向かって手を差し出している。

意味が分からず首を傾げていると、龍馬さんがニッと笑いました。

「立たせて」

この人は……。

私はやれやれと思いながら、龍馬さんの手に向かって自分の手を伸ばします。

そして指先が触れた瞬間、龍馬さんが私の手を掴みました。

「あっ……」

突然のことで思わず声が出てしまい、それが何となく恥ずかしくて頬が少し熱を持ちました。

龍馬さんは顔に笑みを滲ませたままです。

「おまえの手、あったかいな。……ああ、こっちの手は俺がさっきまで握って「早く立ってください」はいはい」

龍馬さんの言葉を遮り、繋いだ手を力一杯引きました。

「子供じゃないんですから、自分で立ってください」

「ん~、考えとく」

「考えるほどのことじゃありません。当然です」

これじゃどっちが年上か分かりませんね。

それが可笑しくてクスリと笑ってしまいます。

しばらく奥から湧き上がる穏やかな可笑しさを、お腹の辺りで堪えていると

「天宮さん……」

私を呼ぶ声がしました。

そこには息を切らしながら立っている、組長の姿がありました。