私の師匠は沖田総司です【上】

龍馬さんは黙ってしまいましたが、すぐに私の名前を呼びました。

「身体を鍛えるために剣術の稽古をするのは構わねえけど、人を斬る為に剣術の稽古はするなよ」

いつになく真剣な龍馬さんの言葉に、私は言葉が出なくなりました。

龍馬さんは足を止め、私の方に顔を向ける。

「おまえはもう、人を斬るな」

「……」

私は顔を伏せ、龍馬さんから目線を逸らした。

「それは……お約束できません。私には護るべき人がいます。その人の命が危なくなったら、刀を使って私がその人を護らないといけません」

それに新選組に身を置いている以上、人を斬ることは避けられない。

今の時代、大切な人や自分を護るには敵の命を奪う必要がある。

避けては通れない道だ。

「また、辛い思いをするぞ」

「覚悟はできています」

はっきりそう告げると、龍馬さんはそれ以上何も言わなくなりました。

沈黙の中、聞こえてくるのは町の声だけ。

私は黙ったまま、龍馬さんの背に顔を埋めました。