私の師匠は沖田総司です【上】

「先生、蒼蝶はいつ退院ですか?」

「退院は明日でも大丈夫ですよ。念の為に検査を行いますので、明日の昼はどうでしょう」

「はい!先生、今までお世話になりました!」

お母さんが先生に向かって頭を下げます。

私はお母さんの姿を見ながら、明日退院するのだと思いました。

このとき、私は思ったのです。

退院したら、師匠はどうなるの?……と。

師匠の姿は私以外には見えない。私がいなくなれば、師匠はまた一人になってしまう。

それに、天然理心流を教わることもできなくなる。

そう思うと、私は退院を素直に喜べなくなりました。

……もっと、師匠から剣道を習いたい。

師匠と離れたくない。

一緒にいたい。

医者とお母さんの会話を聞きながら、私の中ではずっと、その思いがグルグルと駆け巡っていました。