私の師匠は沖田総司です【上】

その日から、私は天然理心流の塾頭・沖田総司の一番弟子となり、師匠と呼ぶようになりました。

ですが、稽古の内容はあまり変わりません。

どうしてかと尋ねたら、本格的な稽古はもう少し身体が強くなってからと言われました。

今の体力じゃ体調を崩す恐れがあるからと。

私はもっと剣道を学びたくて、健康的な日々を続けました。

日々の積み重ねにより、強くなる身体。

そしてもうすぐ、師匠から天然理心流を学べるという頃。

思いがけない理由で、師匠と離れ離れになる危機が訪れたのです。

ある日、私は診察室によばれました。

隣にはお母さんもいて、緊張した面持ちで医者の言葉を待っていました。

すると医者は笑顔で言いました。

「これなら大丈夫ですよ。蒼蝶ちゃん、今までよく頑張ったね」

「先生、なら蒼蝶は……」

「自宅で普通の生活を送って頂いても、大丈夫です。しばらくは、週に一回診察に来ていただきますが、異常がなければ大丈夫ですよ」

「蒼蝶、よかったわね!」

お母さんが目に涙を浮かべながら、私を抱きしめてくれました。

私は驚きのあまり、簡単に現実を受け入れられませんでした。

でも、私はお母さんから離れると、先生に言いました。

「せんせー」

「何かな?」

「私、お外で遊んでいいの?」

「もちろん」

いつもとは違う先生の言葉。私は「やったー!」と声に出して喜びました。