私の師匠は沖田総司です【上】

泣いた後に起きる鈍い痛みが、じわじわと頭の中を巡っていました。

けど、頭の痛みより心がずいぶんと軽くなっていて、それほどいやな感じはしない。

むしろ、それが心地よく感じられました。

「龍馬さん、ありがとうございました。もう大丈夫です」

「そうか」

袖で涙を拭うと、私は龍馬さんから離れようとしました。

でも

「あの……、腕を解いて下さいませんか?」

私の身体に回された腕が離れなくて、離れることができない。

離れようとする度に、腕の力が強くなっているのは気のせいでしょうか?

「龍馬さん、あの、このままじゃ離れられません……」

「そうだな」

龍馬さんは返事をしてくれますが、言葉と行動が伴っていません。むしろ言葉とは逆の行動をしています。

龍馬さんは一体何がしたいのでしょうか。

胸を貸してもらった私が言うのもなんですが、今、私は龍馬さんと抱き合っている状態です。

泣いている時は全く気にならなかったのですが、正気に戻るとこれはかなり恥ずかしい。

しかも場所は家の中ではなく外です。

現在、辺りには人っ子一人いない状態ですが、いつまでこの状態が続くか分からない。

すぐにでも離れたいです。

こんなところを他の人に見られたら、外に出られなくなります。