私の師匠は沖田総司です【上】

「あ゛ぁぁ」

「痛って~……」

あまりの痛みに私は土手をころころ転がります。龍馬さんも痛みで額を押さえながら蹲っていました。

なんというダメージだろう……。脳が揺れましたよ。

「あっ、蒼蝶?」

「はい、蒼蝶です……」

「いきなり驚かすなよ」

「すみません、つい私の中のイタズラ心に火が点きました」

目に涙を浮かべながら座ります。見ると、龍馬さんも涙目でした。

「痛いです……」

「俺も痛えよ」

「ごめんなさい」

「別にいいけど」

どうやら龍馬さんは怒っていないようです。

龍馬さんの隣に座り直します。

「あの」

「なに?」

「さっき何を見ていたんですか?」

「さっき?ああ」

すると龍馬さんが辺りを見渡しました。そして、地面に落ちていた物を拾い、私の手に置いてくれました。

これは

「懐中時計ですか?」

「ああ、俺の大切な物なんだ」

「そうなんですか。綺麗な宝物ですね」

手の中にある懐中時計を色んな角度から見ていく。

懐中時計には尻尾の様な鎖が付いており外装は白銀色。

そして、微かにチッ、チッと一定の音が聞こえてきます。

「これ、動いてるんですか?」

「まぁな。知人に頼んで直してもらったんだ」