私の師匠は沖田総司です【上】

「って、ことだ。分かったか?」

未だに寝癖で頭が芸術的な土方さんが説明し終えると

「蒼蝶の貞操が無事でよかったでさァァ!!」

平助君が涙を滝のように流しながら私に抱き着いて来ました。

泣きながら抱き着かれているので、浴衣の一部分が湿ってきて気持ち悪いです。

後で洗濯しないといけませんね。

それにしても、朝っぱらからそんな卑猥な単語を大声で使用しないで欲しいです。

もう少しオブラートに包んだ言い方はできないのですか。

おかげでほら、いかにも純粋そうな斎藤さんの顔が赤くなってますよ。

「蒼蝶ァ、もう土方さんを部屋に入れちゃダメですぜ!あの人は奉公先の女を孕ませたっていう事例がある男ですからね!

正真正銘のケダモノでさァ!おめえは可愛いから、すぐに喰われてしまいやす!!」

「分かりました。以後、気を付けます。もう土方さんには近寄りません」

「おい、平助!これ以上俺への好感度を下げるようなことを言うな!じゃねえと……!」

「でも、事実なんですよね?」

「……」

私が冷ややかな視線を土方さんに送りながら言うと、土方さんは無言になりました。

「事実ですよね?」

「……」

もう一度、問い詰めるように言うと、土方さんは顔を背けました。

「ぷぷぷ、天宮さん、もう止めてあげなよ。この態度を見れば一目瞭然でしょ?」

組長が笑いを堪えながら言いました。

確かにそうです。あまりにも分かりやすい反応をするものですから、面白くてついイジメ過ぎました。