私の師匠は沖田総司です【上】

布団の中を何度も寝返りを打っていると、「おい」と声を掛けられました。

布団からピョコッと顔を出すと、髪を盛大に跳ねさせた土方さんの姿がありました。

「ぷっ、土方さんの寝癖が芸術的過ぎる」

「笑うんじゃねえよ。それよりも起きろほら、朝だぞ」

土方さんが部屋の襖を開けると、日の光が部屋に入ってきました。

また少ししか眠れませんでした。でも、いつもよりも寝れた方ですかね。

「その様子だと、また眠れなかったみたいだな」

「それに対し、土方さんはよく眠っていましたね。羨ましいぐらいお顔がスッキリしてますよ」

「すまん……。なんかこの部屋が居心地が良くてついな」

「謝る必要はありません。土方さんの面白い寝顔が見れたので、ある意味得した気分です」

「見たのか、俺の寝顔」

暗い部屋でも眉間の皺が確認できるほどの距離に、土方さんの顔がありましたからね。

それはもうバッチリと至近距離で拝見させてもらいました。

「眉間に皺が寄っている以外は可愛い寝顔でしたよ」

「……」

土方さんが黙りましたね。そのお顔はどことなく赤いです。

「とりあえず部屋に戻る」

「今日もお仕事頑張ってくださいね」

「ああ」

土方さんが部屋を出て行こうとしたその時、近くから廊下を走る音がしました。