私の師匠は沖田総司です【上】

『そろそろ、僕、疲れたから寝るね。蒼蝶のこと、頼んだよ』

意識を蒼蝶に返そうとしたら一君が「待て」と言った。

「アンタのことは何と呼べばいい」

『僕か。そうだな……』

沖田総司は絶対ダメだからな。

不意に高杉の言葉が蘇った。

アイツ、蒼蝶の事を夜叉姫とか呼んでいた。

夜叉……。

蒼蝶を守る夜叉。

『僕のことは“蒼夜叉(アオヤシャ)”とでも呼んでよ』

「蒼夜叉ね、ふ~ん……」

『じゃ、頼んだよ』

僕は再び蒼蝶の意識の奥深くへと戻った。