私の師匠は沖田総司です【上】

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蒼蝶の意識が完全に途切れた瞬間、僕は意識を覚醒させた。

目を開いて見えたのは、今にも蒼蝶の体に振り降ろされそうな刀。

僕はすぐに落ちていた自分の刀を取り、相手の腹に一太刀を浴びせる。

そいつは声もなく絶命した。

『危ないな。蒼蝶が怪我したらどうするのさ』

意識は僕でも、体は蒼蝶の物。怪我をして痛い思いをするのはこの子だ。

今の僕は、蒼蝶の体を借りているだけ。

この体には掠り傷一つでもつけられない。

「きっ、貴様、またしても仲間を……!」

今度は三人で刀を振り上げながら突進してくる。

僕はすかさず前にいた男の刀を折り、喉元に刃を突き立てる。

「なっ……!?」

『ほら、驚いている暇なんてないよ!』

すぐさま背後にいた二人も一撃で血の海に沈めた。

『さて、後は』

裏切り隊士と、蒼蝶が噛んだ男だけか。

僕は血刀を握りながらゆっくりと二人に近づいて行く。

二人は腰が抜けたのか、地面に座り込んだまま動かなかった。

手を伸ばせな届きそうな距離で歩みを止める。

『10番隊の君。裏切り者の末路は知ってるよね?』

「ひっ……」

『裏切り者には粛清。それが新選組だ。それが分かってて、敵に情報を渡したんだよね?』