私の師匠は沖田総司です【上】

地面に倒れる人。地面を徐々に染める紅色。

その紅色は私の頬、着物、手にべっとりと付着していた。

両手を眺めながら私は自問自答を繰り返した。

私の前で倒れている人は何をしているの……?

(死んでいる)

どうして死んでいるの?

(私が殺したから)

私……?

もう一度、自分の手を見る。

真っ赤にでネバネバした液体に染まった手。

私は持っていた刀を離した。

「わたっ、しがっ……殺し、た」

私がこの男を殺したんだ……!

「うあっ、あぁ……あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!ごめんなさいっ!!ごめんなさい!!」

殺してしまった!!私がこの手で殺したんだ!!

これは血。この男の血だ……!

「あぁぁ、あぁあ……」

目尻から涙が流れる。私は夜空に向かって声を上げて泣いた。

「おまえ、よくも……!仲間を殺された恨み、晴らさせてもらうぞ!」

泣き叫ぶ私の近くには、刀を構えた人たちがいた。

今度は、私が殺される……。

泣いて、ぼんやりとした頭でその考えが過(ヨギ)りました。

でも、刀を持つ気力はなく、目の前で立つ人たちを眺めているだけでした。

全身から力が抜けて、思うように動かない。

私には、師匠の未来を変えると言う使命があるのに。

だから……、だから、こんなところで死ねないのに……。

頭では死ねないと思っている。けど、体がいうことを聞いてくれない。

まるで心と体が引き離されたような感じだった。