「ヅラ、そろそろアイツを探しに行こう」

「そうだな。蒼蝶のお嬢さん、今度こそお別れだ」

「あっ、はい。ヅラさん、龍馬さん、稔麿さん、お気をつけて」

「俺はもうヅラさんなのね。……でも、いいか」

「よかったな、稔麿。ヅラって呼んでいいってさ」

「ありがとう、ヅラ」

「別におまえ等は許可してねえよ。ヅラと呼んでいいのはお嬢さんだけだ」

「え~、いいじゃん仲間同士なんだし。親睦を深めるという意味で僕達にも許可出してよ」

「この女好き野郎」

「別に俺は女好きじゃねぇよ」

後ろからヅラさんに文句を言う龍馬さんと稔麿さんに思わずクスリと笑ってしまいます。

それにしても桂小五郎……ああ、この方は逃げの小五郎ですね。追手から逃げる天才だったとか。

そして西郷隆盛、大久保利通と三人で維新の三傑と称される御方ですよね。

「じゃあな、蒼蝶。またみたらし団子食わせてよ」

「今度は僕にもみたらし団子頂戴ね」

「またな、お嬢さん」

「はい!」

私は三人の姿が見えなくなるまでその後ろ姿を眺めていました。