「じゃ、またな」

「待て待て、龍馬、稔麿。俺の紹介がまだ終わってねぇよ。それが終わるまで待ってくれ」

次に現れたのはさっきまでニヤニヤしていたヅラさんです。

「貴方の名前分かっています。なかなか個性的な名前をしているヅラさんですよね。私の名っ「いやいやいや、ちょっと待ってくれ!」何か?」

私の言葉を遮るヅラさん。何がいけないのでしょうか?

「お嬢さん、そのヅラって呼び方はよくないな」

「なぜですか?たとえ変な名前だとしても、御両親から頂いた名前ですよ。大切にしなっ「ヅラなんて名前を付ける親はすぐに絶交してやるよ!」なんと親不孝な人ですか」

「ちょっと待って!何で俺が悪いみたいな感じになってるの!?龍馬、稔麿、何とか言って……」

ヅラさんがお仲間に助け舟を求めますが、その二人は笑いを堪えています。

助け舟としての役割は出来ませんね。たちまち海に転覆します。

すると、ヅラさんがゴホンと一つ咳払いをしました。

「俺にはちゃんと桂小五郎って名前があるんだ」

「ヅラさんではないのですか?」

「だから違うって。ヅラってつけたのは龍馬だ」

「いい名前だろ?言いやすくて」

「龍馬の意見に賛成」

「龍馬君、稔麿君、ちょっと黙ってようか」

ヅラさん、ごめんなさい。私も龍馬さんの意見に賛成です。