私の師匠は沖田総司です【上】

「騒がしくてごめんね」

呆気に取られている私に話し掛けてくれたのは、隣にいた流し髪の人です。

「あの、止めなくても大丈夫でしょうか」

「ああ、いいのいいの。いつもの事だから。止めたってまたすぐに喧嘩するんだ。時間と体力の無駄だよ」

「そうですか」

流し髪の人が放って置けと言いますが、やはり心配です。

だって、二人の雰囲気からして、殴り合いにまで発展しそうなんですから。

「ねぇ、聞きたい事があるんだけどいいかな?」

「ええ」

坂本さん達を止めようとしましたが、流し髪の人に引き留められてしまいました。

「君の名前は天宮蒼蝶?」

「えっ、はい。そうです」

なぜこの人が私の名前を知っているのでしょうか。私が覚えている限りこの人と会うのは初めてです。

「どうして私の名前を知っているのですか?」

「そこにいる龍馬から聞いたんだ。男装をした不思議な女の子に会ったってね。

一度会ってみたかったんだけど、意外と早く会えて嬉しいよ」

「はぁ、どうも……」

「ちなみに僕の名前は吉田稔麿。僕のことは稔麿って呼んでね」