私の師匠は沖田総司です【上】

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もう一度みたらし団子を作り、それを組長の部屋に置いた後、私は外に干していた洗濯物を取り込んでいました。

洗濯物を取り込みながら、何度も手を止めてしまいます。

さっきから、組長の部屋に置いたみたらし団子が気になるのです。

味見はしたので味の方は大丈夫だと思うのですが、組長に食べて頂けるか不安です。

捨てられていたらやだな……。

無残に捨てられたみたらし団子を見たら、しばらく立ち直れそうにありません。

「……あっ!」

思わず、辺りも気にせず大声を出してしまいました。すると、庭を歩いていた隊士が私の方を見ました。

すぐに「何でも無いです」と言って、手を動かし始めます。

大声を出してしまった恥ずかしさと、さっき頭を過った不安で体が熱くなっていきます。

私は、気付いてしまったのです。

「書置きしておくの忘れた……」

組長の部屋に、みたらし団子の事を書置きして置こうと思っていたのに、すっかり忘れていた。

あれじゃ、誰の団子か分からないじゃないですか。

書置きも無かったら怪しさ100%のみたらし団子ですよ。

私はとんでもないミスを犯してしまった。

書置きも無いみたらし団子が机に置かれていたら、普通、食べたくないですよね。

何てことだろう。私は自ら作った希望を、自らの手で壊してしまいました。