景色は変わらずずっとここにあった。



『………?』



いつも母と使っていたベンチに
男の人が横になって寝ていた。




近づいてみると、
幸せそうな顔で眠っていた。



『綺麗…。貴方が、“雨”なのね…。』




黒の短髪に色白い肌。


世の中にこんな綺麗な男の子は
いるだろうか?
 

風が吹き抜ける、10月のあの日。

私は、とても綺麗な男の子に出会った。