俺は、病室を出て 中庭に向かった。 久し振りに、歩いたからか 息が荒くなっていた。 …さほど歩いていないのに。 中庭に出るドアを開けると、 少し冷たい風が吹いていた。 『…気持ちいい…。』 太陽が眩しくて風が気持ちいい。 俺は、近くにあったベンチに 腰を降ろした。 『…眩しい…。』 目を閉じてみると 風の声が聞こえたような気がした。